「合気道は体の転換さえ出来ればいいんだ」
僕が合気道を始めた20数年前に、当時の先生が言われた言葉である。
その頃、僕は先生に技を掛けることが一切出来なかった。
体の転換にしても、ちっとも動いてくれなかった。
合気道の稽古というものは、相手の技に掛かってはいけないものと思っていた。
この先生を体の転換で動かせたら、そんじょそこらの誰にでも技が掛けられるようになる。
僕はそう信じて、体の転換の徹底研究をした。
そして体の転換とは、入身と転換が絡み合いながら行うことであり、本来の合気道に表も裏も無いという、当時所属していた会派、さらには会派創設者である田中万川師範の「入身転換反射道」の素晴らしさに気づくことが出来たのである。