ここ数十年間の日本は、強さを求める者がどんどん少なくなって来たと思う。
弱い者が言論と数の力で強さを誇示し、強者たる者を貶めて来た。
力を得て上に立つと下の者に引きずり降ろされるもんだから、損な役回りを引き受ける者がいなくなった。
仕方なく引き受けても、なるべく強いリーダーシップを取らないように、下の者達の意見を尊重し合議を諮り皆の意見ということで事を進めるようになった。
当然皆の意見が一致することなどない。意見が違う者は嫌われる。
昔はリーダーがその嫌われ者を引き受けたもんや。
政治家なんぞは死を覚悟しながら、自分の正しさを信じて国民を導こうとしたもんや。
今、そんな政治家はいなくなった。
金権まみれのバックに操られる人形ばっかし。なんとか乗り切って役目を終えれば、地位と金が保証される。
意気地や信条などはどうでもよい。
金で雇われて戦う傭兵と同じ。
傭兵は命まで捨てては元も子もないので、最後まで戦うことはしない。
適当に戦って逃げ出す。
だから昔のヨーロッパの兵隊は弱かった。
兵隊が強くなったのはナポレオン以降である。
強くなった代わりに死者が増えはしたが。

かつての日本の兵隊も実に強かった。
大東亜戦争時、間違いなく世界最強の軍隊であった。
地位や金のために戦った兵隊はいなかった。
皆、クニのために戦った。クニとは国家のことではない。
クニとは郷土であり、父母であり、妻子であり、兄弟姉妹であり、親族や友人達の住む所であった。
逆に言えば、クニこそが大日本帝国軍人を強からしめる力の源であった。
彼らはクニの力を信じていた。
たとえ自分が死んでもクニは残る。クニさえ残ればたとえボロボロになっても再生する。
彼らには絶対の信念があった。
その信念は確かに「教育」によって埋め込まれたものであったかも知れない。
しかし現実に、帝国軍人は他国の軍人よりも確実に強かった。

今多くの日本人は帝国軍人の強さを知らない。
かつての大日本帝国の偉大・強大さを知らない。
支那や韓国に侵略し搾取し、思い上がってイギリスやアメリカ相手に無謀な戦争を仕掛け、最後は総がかりで袋叩きされ、多くの若者を犬死にさせ、非戦闘員の自国民まで死に至らしめた、トンデモカルト・サイコパス国家であったと思ってる人も多いだろう。
僕も子供の頃から右に左に振れながら生きて来た。
左に振れて数年して右に戻ると、新たな歴史的事実が明らかにされて来た。
かつてのソ連が隠蔽した事が明らかになったり、アメリカの機密保持期間が終わって新事実が出て来たりもした。
マスコミが大きく発表せずとも、ネットでそれらの事実が飛び交うようにもなった。
若いころに熱心に勉強した人ほど、間違った歴史観を植え付けられているのではなかろうか。
最近、若い人たちが目覚めだしている。
もう団塊の世代より上の人たちの頭は変わらないだろう。
若い頃に一生懸命つめ込み学習したサヨクインテリたちの頭も変わらないだろう。
歴史など大して勉強したことも無さそうな若者が、すんなりと東京裁判史観から脱却した、新しい歴史認識をどんどん吸収するように思う。
そして彼らが社会的地位を得て、多数派となった時、日本はまた世界最強の国に戻る。
その時に必要なのは「和」の心。世界平和を目指す真の日本武道、合気道の綱領と信念である。

綱領

20数年前に僕が合気道入門した時の道場には、この綱領と信念が掲げられていた。

しかし入門数年後に外された。
以来、どこの合気道道場の稽古に行っても見たことはない。

僕ははっきり言える。
この綱領と信念に従って合気道修行をして来た。
さらに「万有愛護」「天下無敵」という言葉が崩されぬように稽古をして来た。
今でも誰に対しても、この二つのルールを他人に破らされたことはない。
自分自身以外に敵は存在しない。

「またまた、口ばっか法螺吹きやがって」

まあそう思う人がいても、それは仕方がない。
では僕と手合わせしてみろ、と僕は思う。
ただそっと手合わせしてもわからない。
敵意を持って手合わせしてみよ。
大きく激しい敵意を持って手合わせすればするほど、真価がわかる。
真の和合とは何かを感じることが出来る。
他武道や格闘技の経験があればあるほど、その違いがわかる。

僕もかつて、相撲、空手。柔道、剣道、ボクシングなどを経験してきた。
経験だけはしたがどれもこれもいい加減にしかしなかった。
宗教だってキリスト教や仏教の勉強もある程度はした。
が、深く入り込むことはなかった。
一つもものになったものはない。
だからこそ、合気道の価値観に、神道の教えにすんなりと移れたのかも知れない。
迷うこと無く信じようとしたのかも知れない。

「幸福(さいわい)なるかな、心の貧しきもの。 天国はそのひとのものなり。」

強くなることを諦めるな。
人は必ず強くなれる。
一人一人の国民が、今日より明日、明日より明後日と日に日に強くなれば、クニだって強くなる。
クニが強くなれば、人ももっと強くなれる。
強くなった人たち同志で鍛え合えば、益々強くなる。
日本は、そうやって何千年もの間切磋琢磨し合って強くなって来たクニである。
簡単に移動出来た大陸の人たちとは違うのだ。
日本人には自然と共生して生き抜く力がある。そして豊かな自然がこのクニにはたくさん残っている。
己の力を信じよ。クニの力を信じよ。
このクニは古来より、神に祝福された地上天国楽土である。

今一度、心貧しき人になれ。
心の中に飢え渇くような思いを持っている者にこそ、大きな幸いが訪れるチャンスが有る。